「ガザと政治の質問はなしで」
パリ五輪・イスラエル代表の広報担当者は、ことあるごとに世界から集った記者を牽制しなければならなかった。イスラエルは今大会、ある意味で最も注目されたチームだった。パレスチナのガザ地区で戦闘が続く中、開催された平和の祭典。世間の目は政治問題を語るきっかけとして同チームに集中した。
1000人の警備員を配置、爆発物処理班も。
前回の東京大会からイスラエルは選手団の警備費を大幅に増やし、訓練された自国のとともにパリに入った。行く先々で警備は強化され、試合では通常よりも多い1000人の警備員が置かれ、爆発物処理班まで手配された。練習時もピッチをエージェントと私服警官が囲み目を光らせた。1972年のミュンヘン五輪では、選手ら11人が殺害されたテロ事件の前例がある。今大会を守り抜くことは、フランスとイスラエル両国の威信がかかっていた。
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photograph by Mutsu Kawamori