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【済美】「監督には“はい”か“いいえ”しか言えず」OBティモンディが語る恩師・上甲正典と漫画の名将たち「あだち充先生が描く高校野球は…」
2024/08/23
常勝軍団を作る名将はフィクションの世界にもいる。上甲正典率いる済美野球部で青春の汗を流したお笑いコンビが、恩師との熱い思い出とともに、高校野球漫画に登場する印象的な監督たちを語る。(原題:[済美OBティモンディが語る]上甲正典と高校野球漫画の名将たち)
――高校野球漫画には数々の名将が登場します。特に印象的な監督はいますか。
前田 まず思い浮かぶのは『ダイヤのA』の片岡鉄心監督。学生時代には気付かなかったけど、大人になって読み返すと、その言葉が染みるんです。「小さな山に登る第一歩……富士山に登る第一歩……同じ一歩でも覚悟が違う。俺達の目指す山はどっちだ?」って語りかける場面は勉強になります。主人公の沢村栄純が1年生のとき、ホームランを打たれてベンチに帰ってくると、下を向くなと励ましてくれる。部員への優しさも感じるんですよね。
高岸 優しさ……僕らが指導していただいた上甲正典監督とは真逆です(笑)。「上甲スマイル」という言葉が生まれるくらい、一般的に上甲監督は温厚な印象を持たれているんですけど、あれは戦略的なスマイル。僕らは公式戦のベンチ以外、笑顔を見ることはありません。甲子園予選でベンチに入って、初めてあの顔を見ることができる。だから、これが“パブリック上甲”なのか、って喜んでいました。それぐらい怖い監督さんでしたね。
前田 試合中も、笑いながら怒っているから、逆に怖いんだよね。
高岸 そう。良いプレーをすると褒めてくれるんですけど、ミスをすると笑顔で怒ってる。竹中直人さんみたいなんですよ。
前田 テレビに映る上甲さんは笑っているから、選手たちものびのび野球をやっているように思われるけど、よく見ると、走り込みすぎて体がカリカリ。レンジでチンしたみたいに細いですからね。
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photograph by Tadashi Hosoda