豊ノ島関との取組を通じて、私は大きな成長のヒントをつかんできました。
十両時代からの通算対戦成績は私の33勝9敗と大きく勝ち越しているのですが、お互いが十両、平幕だった最初の十番に限っていえば、6勝4敗と互角の戦いが続きました。豊ノ島関は身長168cm。当然のことながら体格では私の方が圧倒していましたが、負ける時のパターンは決まっていて、立ち合いから必ずもろ差しに入られてしまい、守勢に立たされるのです。そこから下手投げを打たれたり、体を寄せられ、土俵を割ってしまうことが続きました。
私は考えました。どうして、いつももろ差しに入られてしまうんだろう。
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photograph by Takayuki Ino(Illustariton)