総勢55名がパリ五輪に出場する日本陸上「チームJAPAN」。女子5000mで選出された樺沢和佳奈は「信じられませんでした」と振り返った。
代表選考を兼ねた6月末の日本選手権では、思い通りの走りができず9位でフィニッシュ。レース直後、樺沢自身が「(2025年の)世界選手権へ向けて頑張ります」と語っていたように、パリへの道は潰えたかに思えた。それでも、まずは内々の連絡で吉報が届く。
「監督の方へ(代表入りの)連絡が陸連(日本陸上競技連盟)からありました。でも『本当かなぁ?』と(笑)」
この時点では正式発表はなく、事前連絡を受けた監督からの報告だったため、最初は信じられなかったという。その後、世界陸連は他国・地域の辞退などを加味し、出場枠を再配分。日本の枠が増えた。迎えた7月8日、日本陸連はパリ五輪の追加内定選手4名を発表。“樺沢和佳奈”の5文字が正式に記された。
「色々と吹っ切れたあとでの発表だったので、すっきりしています。(メンタルは)良い状態に持っていけています」
そう笑顔で話す姿からは、淀みない充実感が漂っていた。五輪本番へ向けての調整も順調そのものだ。7月13日のホクレン・ディスタンスでは、3000mで自己ベストを更新。心身とも最高の状態で晴れ舞台を迎えようとしている。
長距離女子は自分のみ。異例の慶應義塾大学への進学。
全国中学駅伝連覇をはじめ、早くからトップランナーだった樺沢は高校卒業後、意外な進路を選んだ。慶應義塾大への進学である。
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