#1098
巻頭特集

記事を
ブックマークする

《番記者の視点》ドイツ人記者たちを爆笑させた長谷部誠の「鬚の話」とは?「最後に盛大な拍手が贈られたけれど…」

2024/06/20
4月の引退発表会見で記者の質問に答える長谷部

 最終節のRBライプツィヒ戦後、ピッチの上で泣く誠を見て、プレス席の私は鳥肌が立った。長年アイントラハト番を務めるが、一人の選手にこれほど心を掴まれたことはない。

 思えば10年前、当時の監督アーミン・フェーが、ボランチのピルミン・シュヴェクラーの後継者として誰かを獲得するつもりで、「その選手が本当に獲れたら、さらに戦力が上がる」と言っていた。そしてやってきたのが誠だった(フェーはその後退任。トーマス・シャーフが就任)。

体の状態がいいのは“鬚”のおかげ?

 彼は当時すでに30歳なのに先頭に立ってメニューをこなしていた。それを見た記者たちの関心は、「なぜ誠はそんなに体の状態がいいのか」というところに集まっていた。だから誠にその秘訣を聞いてみると、「フォルバート」という答えが返ってきた。「Vollbart(顔の下半分を覆うような鬚)」と聞こえた私たちは、「誠はきれいに剃っているのにどういうことだ?」と困惑したけれど、すぐに「Vollbad(全身浴)」のことだと分かり、大笑いになったのを覚えている。

特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Itaru Chiba

1

0

0

前記事 次記事