「日本ボクシングは近年で最高の位置にいると思う。とてつもない数のタレントを抱えている。私はこのスポーツの歴史も勉強しているが、井上尚弥はおそらく日本史上最高のボクサーだろう。(滞日中に)後楽園ホールでの興行も見たが、デビュー戦の選手がいい試合をしていた。今、日本ボクシングは黄金時代を迎えていると思う」
東京ドームで5月6日に行われた大興行の際、アメリカから訪れたルー・ディベラ・プロモーターのそんな言葉は印象的だった。井上尚弥がルイス・ネリを打ち倒したこのビッグイベントには世界中から関係者が集まったが、多くの人間が似たような感想を持ったようだ。
世界に広まった「日本ボクシング界の黄金期」。
フロリダに本拠を置くオールスターボクシングのフェリックス・サバラ・プロモーターが「日本ボクシングは最高の時間を迎えていると思う」と述べれば、老舗トップランクのボブ・アラムCEOも「日本は極めて重要なマーケットとして確立された」と話していた。ディベラ以外にも、“黄金時代(Golden Age)”という言葉を使う関係者は少なくない。
少し離れた場所から眺めれば、なおさらそう見えるのかもしれない。ネリ戦後、リング誌のパウンド・フォー・パウンド・ランキングでも再び1位に浮上した井上は今や世界的なビッグネームとしての地位を確定的なものとした(注・ウクライナのオレクサンデル・ウシクが5月18日、イギリスのタイソン・フューリーを下した後に1位に浮上し、井上は2位に落ちている)。5月4日に西田凌佑、6日に武居由樹が世界王者となり、日本人の世界チャンピオンは10人を数える。その中には井岡一翔、中谷潤人、寺地拳四朗といったPFPトップ10候補レベルの強豪が含まれ、日本は“軽量級王国”と称されるようにもなった。
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