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《現役引退》長谷部誠は“敗北”をいかに糧としてきたか「結果がすべてと言われる世界ですから」【独占インタビュー/2015年】

2024/05/24
敗退から5日後、長谷部誠はドイツで次戦に向けて汗を流していた。連覇を懸け、主将として挑んだ2度目のアジアカップ。勝負に徹した上での“結果”をどのように受け止めているのか。(初出:Number871号[主将の証言] 「考えないといけないことがたくさんある。結果がすべてと言われる世界ですから」 長谷部誠)

「W杯終わってから、このアジアカップでみなさんに期待してもらえるようにという想いでやっていましたが、結果が出なかったので……整理がつかないですね」

 UAE戦の敗戦後にそう語っていた長谷部誠は、4日後にドイツに戻ると、翌朝の練習では元気に汗を流していた。

 彼がグラウンドのどこにいるかは一目でわかる。アジアカップ中にキャプテンとしての歴代出場記録を更新して、57試合まで伸ばした長谷部の肌は真夏のオーストラリアの太陽のせいでひときわ黒くなっていた。紅白戦では合流初日にもかかわらず、主力組のボランチとしてプレーした。一つひとつのプレーに注ぐ情熱は変わらない。3日後に再開するブンデスリーガの試合へ向けての準備が進む。

 練習後、そんな長谷部に声をかける。

―あの敗戦からまもないですが、新たな戦いに向けて練習する環境があるのは、気持ちを切り替える上では良いのでは?

「そうですね。こっちも、すぐに試合が始まるので」

―UAE戦の直後に受けたTVのインタビューでは話の途中で、今大会の良かった点について話すのを思いとどまったようですが、本当は何を伝えたかったのですか?

「新しい監督の下、新しいチームになって、そこで戦っていくなかで手ごたえもあったし、試合を重ねるごとに良くなっている感覚がありました。それでも、ああいう結果になってしまうと、どうしても発言として難しい。説得力もないですし」

 UAE戦から少し時間がたったからこそ、たずねておくべきことがあった。あの試合の開始直後からの“魔の7分間”についてだ。前半3分に決定機を作られ、その4分後に先制点を奪われてしまった。

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photograph by Masahiro Ura

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