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【記者の推奨馬】「能力はものすごい」シンエンペラーの“海を跨いだ執念”は実るか…兄・父の雪辱を狙う“大器”も《日本ダービーを占う/栗東編》

2024/05/16
シンエンペラー Shin Emperor [父]シユーニ[母]スターレッツシスター[調教師]矢作芳人[通算成績]5戦2勝[主な勝鞍]'23ラジオNIKKEI杯京都2歳S(GIII)
世界を股にかける陣営が誇る芝の雄を筆頭に、栗東にも強者が揃った。祭ばやしが聞こえる青葉賞馬に、父の仇討ちを目指す逸材もいる。まだまだ「西高東低」の時代は終わらせない。(原題:[記者の推奨馬・栗東]西の反撃「雪辱を誓う大器たちの行軍」シンエンペラー/シュガークン ほか)

「やっぱりダービーとなると周りの雰囲気も違うし、どうしても(出走馬に携わる)人のテンションも上がってしまう。それが馬に伝わりすぎないようにしないと」

 誰よりも勝ち方を知る武豊騎手から聞いた言葉だ。競馬界に籍を置く者すべてが憧れる祭典。ホースマンたちも胸の高鳴りを御せなくなりがちだ。鳥の羽音にも驚く敏感な動物だけに、言語を理解できなくても、そんな人間の情動を察知してしまう。

 ただ、それがマイナスだけに働くとは決めつけられない。今年の皐月賞にしても、首差で凌いだジャスティンミラノに見えざる扶助を感じた人は、トレセン内外を問わず少なからずいた。物言わぬ競走馬だって隆々たる筋肉の中に心を宿している。

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