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「自分がどう動けるのか完璧に把握している」引退表明・長谷部誠が第一線で戦えた秘訣は?《フランクフルト所属鍼灸師が解説》

2024/05/05
(初出:Number1026号体の声を聴き、100%を求めて。)

 37歳という年齢を感じさせずにピッチ上を躍動している長谷部誠。3月、1年間の契約延長に関する記者会見を行った際にはこんなことを語っていた。

「年齢を重ねるごとにトレーニングは多くやらないと(パフォーマンスが)落ちていってしまうんじゃないかなと思う。頭を使って、自分にあうようにそこを調整するバランス感覚を大事にしている」

 では具体的にどのようにコンディションを調整しているのだろう? 筋肉系のケガが少ないのはなぜだろう? フランクフルト所属の鍼灸師、黒川孝一に尋ねてみた。

©Koichi Kurokawa
©Koichi Kurokawa

 クラブ在籍7年目でメディカルスタッフの中でもベテランの一人という黒川の元には、長谷部もよく体周りの相談に訪れ、マッサージや鍼灸といった施術を受けている。要望があれば、練習前後や試合前後、いつでもどんなときでも対応しているという。

「やっぱり年齢を重ねるごとに回復のスピードはゆっくりになるし、リカバリーにかかる時間は長くなります。若いころのように、無計画に追い込むことはできなくなる。だから自分の体の声を聴く、体の反応を見る。疲れの度合いを感じながら休むべき時は休むことが大事になります」

指揮官からの信頼に対する責任感を持てるか。

 フランクフルトの監督は前任者のニコ・コバチも、現在のアディ・ヒュッターも「何か身体的に問題があるなら無理して練習に入らなくてもオッケー」という考え方で選手と接している。それはベテランだけではなく選手全員にそう対応しており、コーチングスタッフは黒川をはじめとするメディカルスタッフからの情報を逐一しっかりとチェックしている。

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photograph by AFLO

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