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《独占告白》森下翔太23歳は「世界で通用するバッター」になるために、“楽ができない”バットを試し、「中学生の動画も見ます」

2024/03/28
2023年にドラフト1位指名で阪神へ入団した森下
ルーキーイヤーの日本シリーズで大仕事をやってのけた“持ってる男”。だが、現状に満足することなく、独自の流儀で打撃改造に取り組んでいる。連覇のカギを握る若き大砲が目指す、理想のバッティングとは――。

 愛らしい童顔に、豪胆さを隠し持つ。昨季は後半から中軸を担い、オリックス・バファローズとの日本シリーズでは新人最多となる7打点を挙げて優秀選手賞を獲得した。その勝負強さはどこから来るのか。「背番号1」を貫く“芯”の在処を探った。

日本シリーズ第4戦、音が聞こえなくなるほど集中していた。

――まず日本シリーズのことを。第2戦まで9打数1安打。チャンスでの併殺打もあって苦しんでいたように見えました。

「苦しんでなかったです。相手がいいピッチャーですし、初対戦。僕自身は打てなくて当たり前かな、っていう感じでした。2試合打てないことなんて143試合を戦う中ではよくあること。何をそんなに騒いでいるのかなぁ、くらいの(笑)」

――第3戦で初打点を挙げてから潮目が変わったように思います。前日の練習でどのように気持ちを切り替えたのでしょう?

「たった1日で技術が向上するわけではないので、まず自分のバッティングを丁寧に確認することに注力しました。球場も変わるし、気持ちのリセットもできた。1点取って気持ちは楽にはなりましたね」

――第4戦でも先制点を叩き出し、迎えた第5戦。7回にエラーが出ます。森友哉の打球に対しセカンドの中野拓夢が後逸したところをバックアップに入り、素手で行こうとして掴み損ねた感じでした。

「ランナーが目に入って、ボールをしっかり見るのを怠ってしまった。普段あまりやらないことをやろうとしてしまったのが自分の反省。100%以上のものを出そうとしてしまったかなと思います」

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photograph by Nanae Suzuki
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