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「ロシアの選手たちは正直、怖いです。でも…」坂本花織がしっかり見据える“2度目の五輪”<独占インタビュー/2021年>
世界選手権から帰国し、義務づけられた2週間の隔離生活を送る坂本花織の表情は穏やかだった。
「今シーズンは自分の中でも頑張れた、と思う1年でした。咋シーズンはほんとうに『ありえん!』というくらいに落ちて行って、自分でもこんなに落ちると思っていなくて。(6位にとどまった)一昨年の全日本選手権は演技中、何を考えているか分からなくなって、次のジャンプはどうしたらいいんだろう、どうリカバリーしたらいいんだろうと悩んで」
自分自身を見直していかないと、と考えていた矢先に新型コロナウイルスの影響でリンクは閉鎖となった。
「今が変えるチャンスだと思いました。毎年、シーズンが始まる前は体作りと言っているんですけど、アイスショーや覚えなくてはいけない振付や全日本の合宿があったりして、なかなか時間がなかった。でも昨年は1カ月半も時間ができたので、しっかりと体力強化のランニングと体幹を鍛えるトレーニングを積めました。今まで膝を曲げれば跳べるというくらい感覚的だったジャンプも、体のどこを使うか意識するようになりましたね」
時間が空いたことばかりがトレーニングに励むことができた理由ではない。坂本は「もう、ほんとうに、悔しいという言葉だけでは軽すぎるシーズン」と昨季を表現する。そんな1年を繰り返したくないという思いが根底にあった。
五輪の出場枠をかけた試合、攻めるかまとめるか迷った。
今季のNHK杯では、見違える姿をリンクに示した。ショート、フリーともに完璧な演技でGPシリーズ初優勝。特にフリーはジャンプにプラス4や5の評価がつくなど、高い加点を得た。スピン、ステップもすべてレベル4。続く全日本選手権も安定した演技で2位。2度目の世界選手権代表をつかんだ。
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