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<本田武史解説>宇野昌磨、鍵山優真、2021年世界選手権で見た「進化」と「武器」…「羽生選手の演出力が冴える」と評した曲は?

羽生結弦、ネイサン・チェン、宇野昌磨の3強に、シニア1年目の鍵山が割って入った今シーズン。さらなる進化を遂げた男子の世界選手権の戦いと、北京五輪への展望を4回転の先駆者が解説する。(初出:Number PLUS FIGURE SKATING TRACE OF STARS 2020-2021シーズン総集編[本田武史が解説する男子勢力図]  世界選手権で見えたそれぞれの武器。)

「もうちょっと加点がついてもよかった」羽生の演技。

―世界選手権での男子の演技について、1人ずつうかがえればと思います。まずは羽生結弦選手、ショートは完璧な演技でした。

「やはりこういうアップテンポな曲は、羽生選手の演出力が冴えますね。全日本選手権の時よりも動きがすごく体になじんで、間の取り方も一瞬『くっ』と溜めを作れる自分の時間もあったり、全体的に余裕を感じました」

―ジャンプも安定していました。

「最初の4回転サルコウはスピードもあって良かったです。ジャンプの前にじっと構えて跳ぶということがなく、音楽と一体化しています。ただジャンプが浮きすぎるぶん、着氷のタイミングで上手に調整し、すこし前屈みになった印象でした」

―今回はサブリンクとメインリンクで氷がだいぶ違ったと聞いています。

「メインリンクの方がちょっとジャンプが浮く印象はありました。ジャンプが普段より高く上がって回りすぎてしまうと、ステップアウトや転倒に繋がりやすいんです。そのなかで、羽生選手はうまく合わせた印象でした」

―4回転トウループは美しかったです。

「助走から勢いもあって表情もすごく良かったです。絶対に失敗しないという自信が溢れていました。『+4』や『+5』の評価を予想していたので、もう少し加点がついても良かったなと感じました。ジャッジの方々にとっても今季初の国際大会で、羽生選手の演技を見るのも初めて。多少は慎重に点をつけてしまったのかも知れません。今回の世界選手権は、全選手を通じてGOEの『+4』『+5』が抑え気味の印象でした」

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photograph by Asami Enomoto/Yukihito Taguchi

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