#1086
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体は正直ボロボロ…エース渡邊雄太が明かすバスケW杯の舞台裏「次も日本代表に選んでもらえたら…」《独占インタビュー》

代表人生を懸け、心を燃やして挑んだ夏の大舞台。攻め込み、耐え抜き、遂には歴史的勝利を手にした。日本代表を牽引し、コートに立ち続けたエースが、沖縄での激闘の記憶を余すことなく語り尽くした。

 日本代表が歴史的勝利をあげ、パリ五輪への切符を手にした「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」。名実ともにその原動力となったのは、NBAでも活躍する渡邊雄太だ。五輪の出場権を逃せば代表を引退するとまで宣言し、覚悟を持って臨んだW杯。それから3カ月ほどが経った今、渡邊があの夏の真実を語った。

――W杯での3勝(フィンランド戦、ベネズエラ戦、カーボベルデ戦)について、渡邊選手は今、どのように受け止めていますか?

「自分自身はもちろん、日本のバスケの歴史から見ても格上相手や厳しい試合では勝ち切れていなかったので、今回の3勝で大きな一歩を踏み出せたと思います。日本代表としての勝ち方を見つけられたというか、それを経験できたことが、チームにとっても僕にとっても大きな収穫でしたね。特にフィンランドに勝ち切ったことで、自信が確信に変わりましたし、その後の2勝にも繋がったと思います」

――3勝それぞれ、勝利の感覚に違いはありましたか?

「単純に一番嬉しかったのはフィンランド戦ですね。ベネズエラ戦はしんどかったな……。あの展開でよく勝ち切れたなと。カーボベルデ戦は自力でパリ五輪を決めることができて安堵の気持ち。だから同じ『勝ち』でも、それぞれ感じ方は結構違いました」

フィンランド戦後半、記憶が飛んで気づいたら逆転していた。

――まずは最初の勝利となった2戦目、フィンランド戦について伺います。初戦のドイツ戦を終えた後はどんな心境でしたか?

「ドイツが強いことは分かっていましたが、絶対に勝つと信じて試合に臨みました。結果は18点差での敗戦。ただ、これが中身のある負けだったなと。後半だけでいうと日本が勝ってますしね。たぶん過去の『いい試合はできるけど勝てない日本』だったら、優勝するようなチームには40~50点差で負けるんですよ。でも今回は違った。本当にドイツは強かったんで、こんな相手でもこういう試合ができたんだからフィンランド戦も絶対にいける、という感覚がありました。実際にチームの雰囲気もよかったですし」

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photograph by Getty Images

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