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《和田毅の視点》9回裏の満塁策は間違っていない「ワゲスパックが投げ急いだ技術的理由は…」<日本S第4戦詳細解説>

2023/11/12
阪神は序盤から森下、近本の適時打が飛び出すなどリードして試合を進めながら、7回に回跨ぎとなった桐敷がオリックス宗に2点適時打を浴びて追いつかれる。それでも6月以来の復帰登板となった湯浅らリリーフ陣が粘り、9回に4番・大山のサヨナラ打で勝利。

土壇場の9回裏、ワゲスパックが投げ急いだ理由。

 第4戦、勝敗の分岐点になりそうな場面はいくつもありました。それでも最後、大山選手のサヨナラヒットで決着がついたとあっては9回裏にフォーカスせざるを得ません。ワンアウトからワゲスパック投手が近本選手を歩かせた後、中野選手のところでワイルドピッチを2度も続けてしまったのは、技術的な理由があったからでした。

 ワゲスパック投手はクイックモーションが速くないので、近本選手の盗塁を警戒するあまり、投げ急いでいました。そうなると、どうしても上体が突っ込んでストレートが高く抜けそうになります。それを抑え込もうとすると、今度は落ちる球が引っ掛かりやすくなるんです。実際、中野選手への3球目のチェンジアップが引っ掛かってワイルドピッチとなり、近本選手を二塁へ進めてしまいました。あの球はベースのかなり手前でワンバウンドしていましたから、森選手も捕るのは難しかったでしょう。

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photograph by Hideki Sugiyama

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