#1083

記事を
ブックマークする

《本音告白》「弱いままじゃいられない」池江璃花子が体調最悪で出場したアジア大会と意地の銅メダル「ホッとして、泣いてしまいました」

2023/11/07
体調不良のなか出場したアジア大会は、半ば諦めの境地で臨んだ。最後に意地でもメダルを獲りたいと思って泳いだ50mバタフライ。大会後芽生えた気持ちと、新たな挑戦について語る。

 福岡世界選手権が終わってから、アジア大会までの2カ月の間に、2回体調を崩してしまいました。世界選手権後のオフ明けに咳が止まらなくなり、ようやく治ったと思って北海道・野幌の事前合宿に行ったら、今度はインフルエンザに罹りました。39度の熱が出て、2、3日休んだ後、チームとは別行動しながら泳ぎ始めましたが、その後体調がさらに悪くなってしまって。アジア大会は1週間後に迫っていたので、大会での結果はほぼ諦めていました。

 大会直前に杭州入りすると、日本や海外の多くのメディアから体調について取材されました。そんなに調子が悪いことについてばかり聞かなくても、と思いましたが、私の状態は、見ての通りでした。日本の知り合いからも「体調がすごく悪そう」という連絡がたくさん来ました。そんな状態のなか注目されるのは辛かったですが、それが自分の宿命だし、何とかポジティブに話そうと努力しました。

(病気になる前の)前回のアジア大会で6冠してMVPを獲ったからか、大会サイドからも、ものすごく注目されているのは知っていました。でも自分の中では前回大会の成績からの気負いは全然なくて。私よりすごい選手はいっぱいいるのに、私のことを覚えていてくれてありがとう、という気持ちでした。「中国に池江ファンがいるから、その人たちに何か一言下さい」とお願いされたりして、私が思っていた以上に中国の人たちが自分のことを待っていてくれたというのは意外で、とても嬉しかったですね。他の国の選手もよく声をかけてくれて、本当にたくさん応援してくれているのが伝わってきました。

特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Asami Enomoto

0

0

0

前記事 次記事