いわゆる絶対王者が君臨するとき、2位に位置する選手はどんな態度で競技に向き合うのか。こちらの意図を汲み、胸の内を正確に言葉にしてくれる上地結衣なら、興味深い話が聞けると思っていた。まずウィンブルドンで質問を投げてみた――ディーデ・デフロートが無敵の状態だが、モチベーションを失わずに挑み続けていられるのはなぜか。
デフロートはそのウィンブルドンと次の全米で優勝、3年連続で車いすテニスの年間グランドスラム(四大大会全制覇)を達成する。'23年7月の時点での対戦成績は15勝40敗。連敗は23に増えていた。意地の悪い質問に、上地は普段と変わらず丁寧に答えてくれた。
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photograph by Hiromasa Mano