「決勝に残ったうれしさより、やっぱり、悔しさが一番大きかった」
今年1月の全豪オープン。グランドスラム出場4度目にして準優勝したにもかかわらず、16歳に満足感はなかった。それはこの競技のあらゆる最年少記録を打ち立て、国枝慎吾の引退と入れ替わるように台頭した小田凱人ならではの受け止め方だった。
驚異的なステップアップの起点は'21年4月のトルコ遠征だ。
「前の年も(コロナ禍で)大会がほぼなかった。ひたすら練習してきた自分が強いのか、成長しているのかもわからなくて。それを試しに行った」
すると、貴重な実戦を求めて上位の選手が集まるなか、あれよあれよと4大会連続で優勝してしまった。“あの15歳は誰だ”。会場は騒然となり、小田のコートには多くの視線が集まった。
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photograph by Yoshikazu Inoue