記事を
ブックマークする
「低く、目線を上げて、自然体で」稲垣啓太も恐れる“最強タックラー”が語る理想のタックルとは?<「にわかファンもOK」のキープレー解説>
![](/mwimgs/9/7/-/img_97d5b9c370b91fec619dc52a2c9581c01480959.jpg)
「高校のコーチに、『80kgの鉄球が膝下に当たったら誰でも倒れるだろう。お前もそれになれ』と言われたんです。それが始まりでした」
選手間投票で「国内最強タックラー」を決めるテレビ番組の企画で、海外出身選手を抑えて最多得票を集めた男――。釜石シーウェイブスのフランカー武者大輔は自身の原点についてこう語る。
武者のタックルは、低く、鋭く、強い。ラグビーは目下、高いタックルに対する罰則が厳しくなっており、各国が低く効果的なタックルを模索している。そんな今こそ「低さ」「鋭さ」「強さ」を共存させる秘密が知りたい。177cmの“最強”タックルマンに、理想とする一撃を実践してもらった。
![武者大輔 Daisuke Musha 1990年5月18日、宮城県生まれ。法政大では主将を務め、U20日本代表に選ばれる。'13年リコーに加入。三菱重工を経て、'22年から釜石シーウェイブスに所属。ポジションはFL。177cm、97kg](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/a/1/1600wm/img_a1152fb23e51c40a14f539dcc39ce213683333.jpg)
「相手と1対1になったら、まず周辺視野で全体を捉えます。パスやキックなど別のプレーに対応するためです」
ここから相手が間合いに入ってきた瞬間、武者は小さな変化を加えるという。
「ターゲットは『腰』。ハイタックルにならない『胸骨より下』を意識しているとリスクが大きいので、安全で効果的な『腰』に、目線だけを移動させます」
目線は腰に。しゃがむのはNG。
なぜ目線だけなのか。
「頭ごと一気に下げてしまうと、大きな『縦の動き』が生まれます。これによって相手の『横の動き』に対応しづらくなり、タックル精度が落ちてしまいます」
さらに大きな縦の動きである「しゃがむ」もNG。スクワット動作を強いられる弱い姿勢になってしまうという。
「目線を腰に定めておけば、自然に身体は下がっていきます。『低くなろう』という意識は、しゃがむ、頭が下がる、といったタックル精度が落ちる要因を生みがちです」
![](/common/premier/images/common/incentives11.webp)
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています