世界最高峰の舞台、イタリア・セリエAでの2度目の挑戦は、自分に足りないものと必要なものを気付かせてくれる時間となった。石川祐希、21歳。彼はさらに上を目指し、次のステップへ進もうとしている。(初出:Number927号石川祐希 [イタリア武者修行回想録]経験は力なり。継続は力なり。)
イタリアへ旅立つ前よりもぐっと大人っぽく、精悍な顔つきに変化していた。その表情が、ラティーナでの石川祐希の日々の充実ぶりを物語っているようだった。
「全然日本食も恋しくならなかったし、あっても食べなかったくらい。ずっと同じものを食べていても平気なタイプなんで」
前回のモデナに比べれば、幾分言葉も話せるようになり、イタリアという国や文化にも馴染み、不便を感じることもなかった。
「1回目のときよりも、今回の方が帰りたくない気持ちが強かったですね」
現地生活に慣れたから、だけではない。
当初の予定を延長し、4月9日のピアチェンツァとのプレーオフ第3戦まで、セリエAで19試合に出場した石川は、世界の代表クラスが揃い限定的な出場だった2年前から大幅に出場セット数を伸ばした。世界最高峰と言われるイタリアプロリーグで揉まれた4カ月間。2度目の挑戦を終えたエースが海外武者修行を振り返った。
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photograph by Yasuyuki Kurose