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<平均試合時間が28分短縮>MLBのピッチクロック導入は「成功」なのか。【野球ファンの70%が賛成】

2023/06/18
キャッチャーのレガースに装着された黒い物体がピッチコム。投手ならベルトやグラブへ装着するケースが多い

 投球間隔を限定する「ピッチクロック」が導入されて2カ月が経過した。「走者なしの際は15秒、走者ありで20秒以内」と制限されたことで、試合のテンポは明らかに変わった。現時点でのサンプル数は少ないものの、5月11日時点で平均試合時間は去年の3時間5分から2時間37分へと28分短縮された。

 野球特有の「間」や「駆け引き」が封じられることもあり、開幕前は反対意見も多かった。実際、導入前の採決で選手会側は反対票を投じた。だが、オーナー、機構側の賛成票が上回ったため、半ば強引に導入が決定した。

 開幕当初は、戸惑いの声も聞かれた。開幕戦で違反第1号となったカブスのマーカス・ストローマンは、率直な思いを口にした。

「時計を見なきゃならないし、正直なところ、試合に新たな側面が加わって、間違いなくきつい。マウンドで焦りを覚える場面が起きるのは、どう考えても楽じゃない」

 4月5日、「二刀流」で出場したエンゼルスの大谷翔平は、投手として「ボール」、打者として「ストライク」と「投打」で違反を取られた史上初の選手となった。試合後には、自ら審判室へ足を運び、規定を再確認するなど、対応に追われた。

 その一方、時間短縮が顕著になったことで、選手たちも次第に受け入れるようになってきた。サイン交換では電子機器「ピッチコム」の使用が認められるようになったこともあり、バッテリー間の伝達が簡略化された。大谷だけでなく、パドレスのダルビッシュ有、メッツのマックス・シャーザーら有力投手が使用するなど、各選手が適応したことで、ここまでは大きな混乱も来していない。

「モーニング・コンサルト社」の調査によると、野球ファンの7割が、ピッチクロックに賛成しているとのデータも報じられた。

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photograph by Getty Images

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