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「適当かつシンプルに」藤浪晋太郎が先発での「連敗」で掴んだ手応えとは。<MLB1年目の試行錯誤>

2023/05/01
4月15日のメッツ戦では被安打4、3四死球、5奪三振。初勝利は逃したが、次戦に期待感を抱かせる登板だった

 黒星が3つ並んでも、アスレチックス藤浪晋太郎は、俯くどころか、堂々と正面を見据えていた。デビュー3戦目となった4月15日のメッツ戦では、7回途中3失点と好投しながらも、初勝利には手が届かなかった。だが、結果以上に、本来のスタイルを取り戻した感触こそ、藤浪が探し求めていたものだった。

「全体的に真っ直ぐは良かったです。ある程度、自信を持って投げて、それがいい形で出た試合だったかなと思いますし、ひとつ自信にはできるかなと思います」

 デビュー戦、2戦目と、序盤は好投しながら、突如、制球を乱し、早期降板を告げられた。力み始めると、左肩が開く悪癖が顔をのぞかせ、ボール先行で痛打されるパターンが続いた。その一方で、メジャーでの評価基準は理解していた。日本では勝利数が注目されがちだが、米国ではクオリティースタート(QS=6回以上、自責点3以内)や投球回数が先発投手に求められるベースライン。より長いイニングを投げて、救援陣の負担を軽減することが、信頼を得るための近道とされる。

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photograph by Getty Images

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