WBCの準々決勝を前に緊急招集が掛かった山崎颯一郎を、中嶋聡監督はこう言って送り出した。
「おう、お前、ジャパンや。まだおったんか。頑張ってこいよ」
昨年の日本シリーズで宇田川優希とともに中継ぎの切り札として一躍、その名を全国へ轟かせた山崎は昨秋、オーストラリアとの強化試合で日本代表に選ばれた。しかしWBCを戦う最終メンバーには宇田川が選ばれ、山崎は外れてしまう。
「悔しさはもちろんありましたし、(宇田川に対しては)素直に頑張れよという気持ちもありました。ただ僕も予備登録には入っていましたし、(WBC球で)練習しておいてくれとも言われていたので、何かあったときのために練習はしてきました」
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photograph by Naoya Sanuki