出場0分だったロシアW杯後に実績と自信を重ね、カタールの地で日本代表の16強進出に貢献した。“デュエル王”は確かな手応えと課題を糧に、W杯でのベスト8以上を目指して動き出している。
ゆったりとした闘志と言うべきものを、遠藤航はまとっている。カタールW杯を客観的かつ相対的に受け止めて、29歳は4年後へ向かって動き出した。
「カタールではロシアW杯後の4年間に積み上げたものを、出したいと思っていました。自分がブンデスリーガでやっているプレー、日本代表でやってきたプレーを、そのまま出せたという実感はあります」
シュツットガルト加入とともに代名詞となったデュエルで、攻守にわたってチームを支えた。攻撃の第一歩となるパスを供給しつつ、機を見て決定的なパスも通した。
「個人的にはこのレベルでもやれる、という感覚を得られました。一方で、ベスト8に届かなかった悔しさはすごくある」
クロアチアにPK戦で敗れた直後、遠藤は彼我の違いに触れて「ここぞというところで守り切る。固い試合を焦れずに進める。そういうところを学ばないといけないかな」と話した。準々決勝以降の角逐を確認した現在は、さらなる裏づけを得ている。
「あの時話したものが、やはり試合を左右すると思っていて。優勝したアルゼンチンは、自分たちが主体的にボールを動かしながら、劣勢になってもしっかり耐えてカウンターで仕留めることができていた。フィジカル的にタフで、個の能力も高い。クロアチアもブラジル相手に延長戦でビハインドになっても、そこから追いついた。タフに戦うことも、主体的に戦うこともできるというのが、これからのサッカーではすごく大事になっていくと感じています」
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photograph by Kentaro Miyazaki