グループステージを首位通過し、韓国を破り波に乗ったかと思われた。しかし準々決勝のクロアチア戦は詰めが甘く、PK戦でまさかの終焉。5大会ぶりのタイトル奪還を果たせなかったカナリア軍団の敗因とは。
試合は「ブラジルの攻撃対クロアチアの守備」という構図だったが、90分を終えて0-0。120分を終えて1-1。王国の夢はPK戦の末に潰えた。
シュート数は、ブラジルが20本でクロアチアが9本。枠内シュートはブラジルが11本でクロアチアが1本。ブラジルは延長前半の終盤にネイマールがまずロドリゴと、続いてルーカス・パケタと“連続ワンツー”を決めてゴール前の密集地帯を抜け出し、GKドミニク・リバコビッチもかわして先制した。高度な個人能力と完璧な連携を発揮した見事なゴールだった。
その後、守備の選手を投入してクロアチアの攻撃を封じ、勝利は目前かと思われた。しかし116分、敵陣でボールを失うと高速カウンターを浴び、手薄になっていた右サイドを突破されてしまう。
ミスラフ・オルシッチからのクロスに応えたブルーノ・ペトコビッチが、左足でシュート。これがCBマルキーニョスの右膝に当たり、GKアリソンを欺いてゴール左隅へ飛び込んだ。
迎えたPK戦。クロアチアは4人全員が成功。ブラジルは1人目のロドリゴがGKに止められると、4人目のマルキーニョスのキックはポスト直撃。マルキーニョスはピッチに崩れ落ち、ネイマールが号泣した。
ブラジルは2002年に5度目の優勝を飾って以降、5大会連続で欧州勢の前に敗れることとなった。このうち準決勝へ進んだのは'14年の自国開催大会だけ(ただし、ドイツに1-7と大敗)で、他の4大会は準々決勝で姿を消している。
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