センバツ制覇後の目標はもちろん春夏連覇。しかし、選手たちはどうしても優勝の余韻を引きずってしまう。そんな中、松坂は関東大会で信じられない投球を披露する。
秋に新チームとなって以来、神奈川はもちろん、関東大会、明治神宮大会、春のセンバツと立て続けに優勝を果たした横浜高校。日本中の強豪校が「打倒・横浜」を掲げて向かってくる。しかし最後の夏を迎える松坂大輔は、怪物と呼ばれるに相応しい、さらなる進化を遂げようとしていた。
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センバツで勝ってからは、追われる立場だということを意識して練習するよう、毎日のように(渡辺元智)監督から言われていました。でも、それはチャンピオンらしく振る舞うとか、そういうことではなかったと思います。むしろ、いかにチャレンジャーだと思えるか……「春は頂点に立ったけど、夏の頂点に立つためには一度、その山を下りなければならない。夏の山頂は春の山頂からは目指せないんだから、まず山の麓までしっかり下りて、また登る。そのためにはチャレンジャーでなければならないんだぞ」と、厳しく言われました。だから、追われるどころか、他の学校と同じように夏の優勝を目指す意識を持て、それができて初めて春夏連覇が見えてくるんだという話を、何度も聞かされました。
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photograph by JIJI PRESS