スタジアムの外で突然大きな拍手が沸き起こり、何かと見てみたら青いサポーターの中でレアル・ソシエダのアペリバイ会長がもみくちゃにされていた。
「素晴らしいビジネスだった。次も頼んだぞ!」
数日前、クラブはエースFWのイサクをニューカッスルに売却していた。自クラブでブレイクし愛された若手を手放したことで地元民はさぞやお怒りだろうと思っていたのだが、まるでそんなことはない。手を振って声援に応える会長の背中はまるでスター選手のよう。
イサクの移籍金はクラブ史上最高額の7000万ユーロ(約96億円)に上る。嬉しそうにしていたサポーターに声をかけると「悲しくはない。うちのポケットには大金が入ってきたわけだ」。そこには郷愁のかけらもない。現代サッカー界の現実である。
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photograph by Getty Images