西武の新外国人投手バーチ・スミスは、リリーフ専門だったアスレチックス時代、大谷翔平と4度対戦している。試合後半の大事な場面で、結果は無安打1四球。昨季46本を記録して本塁打王を争った大谷に、外野フライすら1本も打たれていない。
しかし、「大谷は投手にとって最も対戦したくない打者です」とスミスは言う。
「大谷はグレートヒッターですよ。どこへ投げてもしっかり当ててくる。ホームランのような強い打球を打てる半面、コースや球種に合わせて確実にヒットにもできるんです。選球眼が良く、アジャストする能力も高い。彼の成績の傾向から、投手のクセや配球をよく研究していることも感じられますね。だから、余計投げにくい」
その大谷との初対決は一昨年、アスレチックスが3点リードした6回だった。先頭の大谷から外角高めの151kmストレートで初球ストライクを取ると、チェンジアップを空振りさせ、154kmストレートを低めに決めて空振り三振に仕留めた。
「私はいつも、コースを使い分けること、緩急をつけることを意識して投球プランを立てています。当てるのが上手い大谷には同じ球種、コースを2球続けられません。アウトコースへの速球を続けたら狙い球を絞られるから、遅い球種のチェンジアップを挟んで追い込み、最後はまた速い直球で勝負。そういう配球がうまくいきました」
そう語るスミスの持ち球は直球、カーブ、スライダー、チェンジアップ。「一番自信があるのは真っ直ぐで、これを主体に変化球を効果的に使うことを考える」という。
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photograph by SANKEI SHIMBUN