「マラドーナ、マラドーナ、マラドーナ、マラドーナ!? 来た!?」。'86年メキシコW杯準々決勝、アルゼンチン対イングランド、テレビにかじり付いていた僕らはNHK山本浩アナウンサーの伝説的実況に酔いしれた。
やってくれたぜ! イングランドの選手がまるでスローモーションのようにもたつく中、疾風のごとく突き進む。そして滑り込むようにゴールを決めた!
その7年前の'79年Wユース決勝、国立競技場のメインスタンドで観ていた僕の前でソビエトに駄目押しの3点目を決めたマラドーナ! 帰宅後に知ったのだが、アルゼンチン優勝の笛が吹かれた直後、バックスタンドで観ていた弟の慈英はピッチに飛び込み、マラドーナ、ラモン・ディアスと抱き合っていた。なんて奴だ。嘘のような本当の話。
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photograph by Sports Graphic Number