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[殿堂入り投手の解説]スモルツ「それでも投手オオタニを推す理由」

2021/09/11
打者・大谷を評価する声が多い中、彼はデビュー当初から投手専念を力説してきた。通算213勝154セーブ、野球殿堂入りも果たした名投手に、その評価を改めて聞いた。

 '90年代のブレーブス黄金期を支えた名投手であり、現在は解説者として活躍するジョン・スモルツ。2018年当初から「投手に専念すべき」と主張し続けてきた彼は、今季の大谷をどのように見ているのか。解説者の視点から、そして投手の視点から熱弁を振るってくれた。

「質問に答える前に一つ言わせてほしいのが、『僕の予想は間違っていた』ということだ。というのも、彼が入団した当時、投手としての素質を評価していたので、素晴らしいピッチャーになるための時間を与えてほしいと思い、投手不足のチーム事情もあって『投手に専念すべき』という発言をしたんだ。二刀流は怪我のリスクも大きいと感じていた。実際、彼は肘を痛めていて、'18年にケガを負ってしまった。エンゼルスもメジャーの舞台で二刀流なんて酷なことをさせるな、と当時は思っていたよ」

――ケガをした後の大谷の印象は?

「去年はトミー・ジョンの術後約3年の回復プロセスの最中だから、あまり期待はしていなかった。でも今はジェイコブ・デグロムに並ぶようなメジャーを代表する投手になりうる存在だと言っていいだろうね。ただ、これは一種の警告でもあるけど、球界一の投手になれるのは、投手に専念したら、という条件がつく。今でもそう思っているくらい、投手として僕は評価しているんだ。

 現時点で彼の身体能力によって再現性が高いファストボールはメジャーでも他の追随を許さないし、スプリットは間違いなく球界一だよ。もし投手に専念していたら球界を代表する変化球を3つ有している、そんな投手になるような気がしているんだ」

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photograph by Getty Images

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