全国屈指の駅伝強豪校として知られる高校は、現在に至るまで数多くの名選手を輩出してきた。名物クロスカントリーコースにきめ細やかな指導、そして名将の教え。“長聖”の強さの理由を探る。(初出:Number1017号佐久長聖高校「大迫傑を超えて行け」~東海大監督・両角速の原点~)
「がんばっていきましょ――!」
「は――い!」
佐久長聖高校のクロカンコース、浅間山を背に黙々と走る駅伝部の選手の声が響く。声を出すのは、3年生の日替わりリーダーで、語尾を伸ばすのは佐久長聖独特のものだ。1周約600mの土のクロカンコースは毎朝、高見澤勝監督と市村一訓コーチが車でタイヤを引いて均す。石や凹凸がなく、きれいに整備されている。日々、ここで走ることで心肺や筋肉が鍛えられ、バランス良い走りを実現することができる。
このクロカンコースは、1996年、両角速(現東海大学長距離・駅伝監督)が“長聖”の駅伝部監督に就任して2年目、自ら重機を使い、生徒と石を拾い、雑草刈をしながら作り上げたコースだ。今や長野県はもちろん、全国でも有数の駅伝強豪校として名を馳せる佐久長聖の原点ともいえる場所だ。
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photograph by Asami Enomoto