イングランドを準優勝に導いた名将は、温暖な沖縄で休息の日々を過ごしていた。南アフリカとの決勝の苦渋を振り返り、日本躍進の要因について大いに語った。(初出:Number993・994号<独占インタビュー>エディー・ジョーンズ「ジャパンの勇気に感激した」)
12月中旬だというのに、この日の沖縄の気温は27度を超えた。実に101年ぶりのことだという。エディーさんは元気だった。
「昨日はトレーニングを3セッション。きついクロスフィットを1セッションと、コアトレーニングを2回。これは新記録ね」
W杯が終わって1カ月以上が経過し、沖縄の暖かな日差しのせいもあるのだろう。エディーさんの表情は柔和だった。
――本当に、リラックスした表情をされていますね。W杯の時とはまったく違います。
エディー・ジョーンズ(以下E) 敗れてから、気持ちを整理する時間が必要でした。12月に入って日本に来てからはサントリーの試合を見たり、いまはここ沖縄でリフレッシュする時間を取っています。
――W杯が終わって、もう1カ月が経ってしまいました。準決勝でニュージーランドを破った試合は、本当に素晴らしかった。私は試合後の会見で、「この試合はあなたにとって、傑作になるのでしょうか?」という質問を用意していました。残念ながら、質問権は勝ち取れませんでしたが。
E どうでしょう……傑作とは言い切れませんね。世界最強のチームを封じ込めることには成功しましたが、あと2本トライが取れていましたし、ラインアウトのミスから簡単なトライを1本献上してしまいました。もしも、その3つのミスがなければ、スコアはどうなっていたと思います? 33対0でオールブラックスに勝てたんですよ。だとしたら、傑作と呼ぶにふさわしい試合だったかもしれません。
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photograph by Takuya Sugiyama