3階級制覇の偉大なるチャンピオン長谷川穂積。ノックアウト・ダイナマイトの異名を持つ内山高志。神の左で鮮烈なるKOの山を築いた山中慎介。同時代を闘った3王者が白熱の舌戦を繰り広げる。(Number990号掲載)
時代をつくった名チャンプたちだ。
長谷川穂積、内山高志、山中慎介、世界王座の防衛回数は3人合わせて33度。しかし彼らは“ただ勝ってきた”わけではない。人の心をふるわせ、猛者どもをその拳でブッ倒してきた。
長谷川は目にも止まらぬ速射砲で、内山は一撃必倒の剛腕で、山中は圧倒的な“神の左”で。まるで競い合うようにボクシングファンを酔わせてきた。
同じ時代を生きる3者が顔を合わせてのトークバトルは初めてだとか。年齢は内山が最年長、世界チャンピオンとしては長谷川が大先輩、防衛記録では山中が3人のなかで一番多い12度……誰が勝つか分からない真っ向勝負で相まみえる「最強KO鼎談」。ついに開始のゴングが鳴り響く――。
山中 長谷川さんがウィラポン(・ナコンルアンプロモーション)に勝って世界チャンピオンになったのが2005年4月ですか。僕は専修大学を卒業したばかりで、部屋で食い入るように見ていて、勝って興奮した記憶がありますね。
内山 自分もまだデビューする前。長谷川くんがウィラポン戦の前にワタナベジムの先輩の鳥海(純)さんと戦ったでしょ? あの試合を生で観戦していて興味があった。強いウィラポンを相手にどう戦うんだろうって思いながら見ていたような気がする。
長谷川 以前からウィラポンには挑戦したかった。勝って辰吉(丈一郎)さんを抱えようとする姿とか見て、この人強いし、かっこええなと。結果的には僕が(判定で)勝ったけど、勝ち負けは結構どうでもよくて、あのウィラポンと12回殴り合えたことが何よりも自信になりましたね。
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photograph by Takuya Sugiyama