著者である山崎良次さんは国体のレスリングで優勝という華々しい成績を皮切りに、その後も大相撲やカヌー、そして五輪出場を果たしたボブスレーなど、様々なスポーツに挑戦し活躍した方である。私自身、五輪に出場したスノーボードだけでなく、モーグルスキーやウェイクボードにも身を投じていたため、本書も様々なスポーツ経験が、たとえ回り道だったとしても、五輪出場への糧になっていくということを示した本だと思っていた。しかし、本書は私が想定していたものとは全く違っていた。
オリンピック選手のイメージといえば、幼い頃から才を伸ばして10代の頃には頭角を現し、1つの競技に集中して一日何時間もの練習に明け暮れているものだと思う。しかし、著者は周囲の期待に反し、スポーツに身が入らなくなると、中途半端な状態にも関わらず違うスポーツへ渡り歩いたのだった。そして一時はスポーツそのものから離れるまで至ったものの、最終的には五輪に向け挑戦し、日の丸を背負う夢を達成したのだ。
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photograph by Sports Graphic Number