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『勝ち過ぎた監督 駒大苫小牧 幻の三連覇』駒苫を強豪にした猛将が巻き込まれた壮大な人間ドラマ。

2018/04/01

 夏の高校野球は、今年百回目を迎える。印象深いエピソードを連ねるだけで、この何百倍ものスペースが必要になるが、二十一世紀を代表する名勝負が、駒大苫小牧が三連覇をかけて早実とぶつかった二〇〇六年の決勝戦だったことに異を唱える人は少ないだろう。

 あの試合は、勝った早実サイドから語られることが多いのだが、本書は全面的に駒大苫小牧サイド――特に香田誉士史監督の目線から描き出されたものである。北海道ですら勝てなかったチームが、いかに三年連続夏の決勝に駒を進めたかの詳細な記録でもある。

 香田は佐賀県出身で、もともと北海道には縁もゆかりもない。ところが恩師(大学が駒大なんですね)の監督にいきなり「北海道へ行け」と言われ、駒大苫小牧の監督に就任することになる。

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