一瞬の隙を突いてインを差し、一気にラストスパート――。
身長155cmの小さなスケーターが見せた鮮やかなレースに、日本中が沸いた。今大会2個目の金メダル獲得という快挙は、冷静な駆け引きと鋭い勝負勘がたぐり寄せたものだった。
身長155cmの小さなスケーターが見せた鮮やかなレースに、日本中が沸いた。今大会2個目の金メダル獲得という快挙は、冷静な駆け引きと鋭い勝負勘がたぐり寄せたものだった。
あっぱれなレースだった。最終16周目の最終コーナーで抜け出して先頭に立った。鮮やかなラストスパートでつかんだ金メダル。平昌五輪から採用されたスピードスケート新種目の女子マススタートで、高木菜那が初代女王に輝いた。
歓喜に沸いた女子チームパシュートの金メダルから3日。自身にとって今大会2つ目の金メダルは、個人種目での栄冠となった。冬季五輪で2つの金メダルを獲得した日本女子選手は過去にいない。
「獲りたいとは思っていましたが、まさか獲れるとは。信じられない気分です」
レーステクニックが冴えた。まずは1周400mのリンク16周を12人で滑り、上位8人が決勝に進む準決勝。ここでは4周目に5ポイントを獲得し、残りの12周を省エネで乗り切った。出場した24選手中、最も低い身長155cmの小柄な身体を逆手に取り、チームパシュートで培った、他の選手を風よけに使う巧みな位置取りで、体力を温存しながら決勝に進んだ。
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photograph by Tsutomu Kishimoto/JMPA