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<具志堅用高との師弟物語>比嘉大吾「攻める。倒す。沖縄の血が騒ぐ」

2018/01/26
具志堅に憧れボクシングを始めた男は、昨年、会長の現役時代と同じ21歳で世界王者に輝いた。
具志堅から比嘉へ。師から弟子へと受け継がれる、攻めの姿勢を貫くオキナワン・ファイターの精神。
まもなく地元沖縄で2度目の防衛戦が待っている。

 問答無用。圧巻。怒濤。アッパーカット5連発。あわれロープを背にする者たちが存命のための防護を試みる。そこへ顔も腕もそこにないかのようにパンチの雨、いや嵐は襲いかかる。

 なるほど。攻撃とは最大の防御なり。ここまで攻めに攻めると、打ち返される不安はどこかへ消える。

 比嘉大吾。22歳。WBCフライ級の世界王者である。掛け値なし。粉飾の断片すら見当たらない。むしろ現時点で14連続KO勝利のレコード、その実相に言葉のほうが取り残される。


 ものすごく元気なボクサーがおります。強打をいつまでも続けます。おしまい。

 2011年。正確に2月11日。間違いなく夜。沖縄県の浦添市。卒業を控えた中学3年の野球少年が母と暮らす自宅アパートの居間。そこからストーリーは始まる。

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photograph by Hiroaki Yamaguchi

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