“錦織圭、グランドスラム初制覇おめでとう!”――このフレーズを本コラムに記せる時がやってきた、と僕は本気で感じていた。全豪オープンは、錦織圭選手のグランドスラムであるべきだった。
「いつ勝つの?」と聞かれたなら、流行語を借りて“今でしょ!”と世界中が答えるような、そんな大会だった。
ここ数年、グランドスラムの2週間は、僕にとっては期待で心がワクワクする時間である一方、圭の試合を生で見る“辛い時間”でもあった。本当は結果を知った上で見たい。自分がテレビ解説をしていれば冷静さを保てるが、それ以外は落ち着かない。そして……4回戦敗退。心が痛い。ただ周りの反応は、今までと明らかに違っていた。
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photograph by Hiromasa Mano