山中慎介が派手な倒し合いの末、WBC世界バンタム級王座の10度目の防衛に成功した。KO勝ちこそならなかったが、誰がそれを咎めよう。逆にあわやKO負けのピンチもあり、これを乗り切っての大差判定勝ちだったのだ。
試合地の京都は高校でボクシングを始めた原点の地。郷里の滋賀の後援会を中心にした超満員の観客が見守る中、「成長した姿を見せたい」と張り切っていたものの、3回には挑戦者リボリオ・ソリスの右強打で2度もキャンバスに叩きつけられた。凱旋試合で強さを見せつけるはずが、一転してボクシング人生最大の危機を招いたのはなぜか。山中陣営からは「油断」の言葉も聞かれたが、そこには複合的な要素があったように思われる。
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photograph by KYODO