年末から年始にかけ、何度涙しただろうか。ベルトや賞には全く縁のなかった男が、'15年度「プロレス大賞」の技能賞をものにした。新日本の“こけし弾”本間朋晃のことだ。
昨年の12月7日、大賞選考会で技能賞受賞が決定し、東京スポーツの担当記者が本間に電話をした際、ビックリして「食べていたうどんが鼻から飛び出したよ。本当に俺でいいんですか!」と泣いてコメントしたと聞く。
筆者も選考委員の一人だ。本間の歓喜の姿が、'77年同賞獲得の星野勘太郎の喜びの瞬間と脳裡で重なった。「俺、この賞、本当に欲しかったんだよ」と筆者に抱きついてきた星野。後に黒い軍団、魔界倶楽部を率いて「ビッシ! ビッシ!」のセリフを吐いた強面のレジェンドは、39年前、本間のようにガッツのある好青年だった。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by NIKKAN SPORTS