チェスはスポーツなのかと問われれば、間違いなく僕は頷くことになる。特にこの本の読後ならば尚更だ。
ある少年がチェスにのめり込み全米チャンピオンになるまでを描いた映画『ボビー・フィッシャーを探して』。本書『習得への情熱』の著者ジョッシュ・ウェイツキンは、そのモデルとなった人物だ。
チェスの神童と呼ばれ、映画のブレイクと共に一躍時の人となったジョッシュ。父の目線で語られた映画の原作本はあるのだが、あの神童の瞳が実際に見つめていた風景が語られる点でも興味深い。
しかしながら、この本はジョッシュの来歴を追うだけではない。何かを学ぶということの根源をあぶりだそうとする学習論でもあり、人の認識について驚くほど深く洞察したケーススタディでもある。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Wataru Sato