#874

記事を
ブックマークする

ぐつぐつ煮込まれ、溶けゆく真摯な毒。 ~『フットボーラーなで斬り論』~

2015/03/23

 辛口で人気のウルグアイ生まれのサッカージャーナリスト、ヘスス・スアレスの最新刊『王者への挑戦状』には、共著者として小宮良之の名前が並ぶ。

 世界的なクラックや名監督を独自の視点で一刀両断する彼らのサッカー批評。そこに含まれる毒性は、読む者を虜にする魅力がある。過去にも、イニエスタはメッシ以上に完全無欠な選手だとか、カペッロは語る価値がないなどと、歯に衣着せぬ物言いで突き進んできたスアレス。その過激な論調を解毒することなく、うまく翻訳してまとめあげるのが小宮の役割というわけだ。

温かな毒のスアレス&小宮節はさらにキレを増した。

 今作でもベンゼマやトゥランなどスペインで活躍する選手の批評が中心。前作のC・ロナウドやメッシ評に比べ対象が小粒になった? いやいや、有名性とサッカー選手としての魅力が比例しないことを一番よく知っている男がスアレスだ。 

会員になると続きをお読みいただけます。
オリジナル動画も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
キャンペーン終了まで時間
特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Wataru Sato

0

0

0

前記事 次記事