指揮官ザッケローニの言葉は数多く残されている。しかし、その脇を固めた参謀たちの言葉はほとんど残されていない。全ての戦いを終えて、彼らはあの4年間をどう捉えているのか。それぞれの場所で熱い思いを抱き続ける首脳陣3名が、愛する日本に捧げるメッセージ。
1.フィジカルコーチ エウジェニオ・アルバレッラ
「W杯直前の指宿合宿について」
日本を離れて半年近くが経とうとしている。その間、もちろん今朝だってそう、1日たりとも日本のことを忘れることはない。こうして日本のメディアが私の声を聞こうとしてくれたこと、わざわざナポリまで来てくれたことを本当に心の底から嬉しく思っている。
実は一つ、私の方から言っておきたいことがあるんだ。ブラジルW杯前の指宿合宿で、“選手たちに過度な負荷をかけた”と私に批判があったことを知っている。
私は、あくまでも私自身の手によって測定したデータをもとに、選手個々のフィジカルの状態と実際のパフォーマンスを評価する。FIFAの公式データを見ても、W杯の3戦で日本の選手が走れていなかったわけでは決してない。むしろ、走行速度や走行距離、加速の回数といった“メタボリックパワー”は参加国の中で上位にあった。
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photograph by AFLO