将来プロになって世界を目指すと公言していた本田。プロになるなど夢にも思っていなかった内田。2人の青春時代にその才能を見出し、育てあげた恩師やクラブ関係者らが明かす彼らが世界を目指した原点と、努力の道程――。
「入部を希望している子がいるので、一度見ていただけませんか?」
石川・星稜高の監督を務める河崎護は、一本の電話を受けてすぐに彼を呼び寄せた。大阪で生まれ育った本田圭佑が初めて石川に足を踏み入れたのは、2001年9月のこと。ガンバ大阪ユースへの昇格の道が絶たれた15歳の秋だった。
「もう、何百回も話したぞ」
そう言って笑いながら、河崎は職員室の奥にある小部屋のソファに腰を下ろした。
「今思うと、少し大人びていたという印象ですね。普通なら大人に連れられて見学に来るところを、圭佑は一人で来た。中学3年にしては妙にしっかりしていて、逆にこちらが心の中を見られている感覚もあったくらい」
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photograph by Hirofumi Kamaya