プロボクシングはある面「予定調和」のスポーツで、事前の予想通りの結果となることが多い。だが、時に“咬ませ”のつもりで呼んだ相手に、ホープが逆に食われるという結果になることもある。もちろんこれもボクシングの醍醐味のひとつで、それがなければ試合を見る者などいなくなってしまうだろう。
前置きが長くなったが、最近日本のリングは番狂わせが続いている。
2月25日、後楽園ホール。キックから転向して14連勝12KOをマークしていた注目の新鋭・土屋修平の試合は、名古屋から呼んだ古参・川瀬昭二を初回にダウンさせKOは時間の問題という、まさに予想通りの展開。しかし強引に倒しに行って仕留め切れず、逆に手負いの川瀬の的確な左リードからの反撃打を浴びダメージを蓄積。終盤9回にメッタ打ちされまさかのTKO負けとなった。
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photograph by BOXING BEAT