史上最強と謳われるバルセロナが、さらなる高みに
到達しようとしている。そのきっかけとなったのが、
指揮官主導による2つの変化。だが、誰もその真意を掴めない。
何故3-4-3を導入し、何故セスクを獲ったのか――。
その謎解きの手掛かりは、彼の“ルーツ”にあった。
到達しようとしている。そのきっかけとなったのが、
指揮官主導による2つの変化。だが、誰もその真意を掴めない。
何故3-4-3を導入し、何故セスクを獲ったのか――。
その謎解きの手掛かりは、彼の“ルーツ”にあった。
バルセロナの監督ジョゼップ・グアルディオラをよく知る者は口を揃える。
1日24時間サッカーのことを考えていると。あれは病気だと。
現チームの中でグアルディオラと過ごしてきた時間が最も長いシャビ・エルナンデスは、ロッカールームを共にしていた頃を振り返る。
「僕のキャリアの中で『本当にサッカーが好きなんだな』と思った選手は何人かいる。リバウド('97年~'02年に在籍。'99年にバロンドール受賞)とかね。でも、このスポーツのありとあらゆる側面に留意し、どんな些細なことも見逃さなかったのは“ペップ”だけだった」
バルサの強さの秘密である。
だが、もちろんそれだけではない。
3年前の監督就任以来、グアルディオラは常に観る者の予想を超えてきた。戦術や選手の起用法、交代のタイミング。彼なりの理論があるのは間違いないが、それが読めない。終わってみれば全て納得のいく采配なのだが、彼の着想に先んずるのは非常に難しい。
今シーズンの場合はDFを3人に減らしたフォーメーション、そして、セスク・ファブレガスの獲得とその起用法だ。
リーガ開幕戦ではビジャレアル相手に3-4-3で圧勝。
リーガ開幕戦となったビジャレアルとの試合でグアルディオラは3-4-3を用いた。サイドアタックが常套手段となっている現在のリーガで、両サイドにスペースをたっぷり残す3バックは危険極まりない。
ところが蓋を開けると、リーガ有数の好チーム相手に5-0の圧勝を収めた。
以降バルサが試合をするたび、メディアはフォーメーションを話題にしている。戦術にそれほど執着しないスペインでは異例のことといってもいい。
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photograph by Daisuke Nakashima