僕らの知ってるカズは、いつも走り続けている。
ブラジルでも、ヴェルディでも、日本代表でも、
そして44歳となった今でも――。だから聞きたかった。
「カズさんの人生にとって『走る』とは何ですか?」
中学時代のマラソン大会の思い出から現在に至るまで、
我らのKINGが、たっぷりと「走る」を語る。
ブラジルでも、ヴェルディでも、日本代表でも、
そして44歳となった今でも――。だから聞きたかった。
「カズさんの人生にとって『走る』とは何ですか?」
中学時代のマラソン大会の思い出から現在に至るまで、
我らのKINGが、たっぷりと「走る」を語る。
9月の炎天の下、慶應義塾大学との練習試合を終えたばかりのカズのクルマに同乗し、話を聞く。立っているだけでも倒れそうになる猛烈な残暑の中、90分間走り続けた44歳のアスリートに疲れは見えない。「で、今日のテーマはなんだっけ?」とカズから問われ、「走ることについて」と言うと、間髪おかず、こんな話から語り始めた。
◇ ◇ ◇
僕は、基本的に走るために走っているんじゃないからね。ジョギングするのも、インターバルも、シャトルランも、ダッシュやるのも、全部サッカーでいいプレーをするためだから。すべては、サッカーのために必要だと思って走っているわけだから。これはもう、昔からずっとそうだった。
学校でやる身体能力テストとかも気にしなかったね。サッカーはそんなものじゃない、技術だ、と思っていたから。だから、小学校時代も50m走が何秒か、なんてことも気にならなかった。50mを5秒台で走る必要はないし。実際、小学校のとき、50m走は速くなかったよ。日本代表で計ったときもたしか7秒1とかだったし。
長距離が速かった兄・三浦泰年の背中を見ながら走っていた。
走ること自体に重きをおいてなかったんだろうね。走りかたを習ったこともないし、こう走れと指導されたこともない。ただ、走っていなかったかというと、そんなことはなくて、サッカーを教えてもらってた叔父さんからは、すごく厳しく走らされていた。小学生のときから中学生に混じって走らされてたし。ただ、それでも嫌にはならなかった。そうやっていれば、サッカーが上手くなると思っていたから。
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photograph by Megumi Seki