左ひざのケガで長くツアーを離れていた中村藍子が、完全復活に向けて力強く歩み出した。10月の楽天ジャパンオープンで、シングルスでは約14カ月ぶりの公式戦出場。ここでは1回戦で敗れたが、翌週のHPオープンでは昨年6月のウィンブルドン予選以来の勝利を挙げた。2年ぶりに出場した全日本選手権では2回戦で第1シードの土居美咲に敗れたが、試合を重ねるごとにひざの違和感は薄れ、今では「次はもっといいプレーができる予感がある」という。
彼女にとっては、荒波にもまれ続けた数年間だった。'05年全豪で四大大会デビューを果たし、メジャー大会の常連になった。しかし、'08年に不振に陥り、復調の兆しが見えた矢先の昨年8月、左足前十字じん帯損傷の大けがを負う。ただちに手術し、リハビリに取り組んだが、テニス選手のひざには、ただでさえ大きな負担がかかる。この春、ツアー下部大会のダブルスで試運転したものの、万全の状態にはほど遠かった。
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photograph by Hiromasa Mano