今年一番の番狂わせで、新たな在日の英雄が誕生した。去る10月2日後楽園ホールで行なわれたWBA世界スーパーバンタム級タイトル戦で、タイの難攻不落の王者プーンサワット・クラティンデーンジムに殊勲の12回判定勝ちで王座を奪った李冽理である。
かつて「自分のときも含め、世界チャンピオンが誕生するときは全部番狂わせ」と至言を吐いたのは渡嘉敷勝男だったが、たしかに程度の差こそあれ、新王者誕生劇のほとんどは予想を覆したものだ。しかもその予想は「王者は強い」という先入観もあって、挑戦者の実力が過小評価されがちである。李が演じた超弩級の番狂わせもそのケースだった。
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photograph by BOXING BEAT