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35歳の“新人”、建山義紀。
高揚と冷静の狭間で。
~レンジャーズでのサバイバル~
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byYukihito Taguchi
posted2011/03/10 06:00
2月27日のロイヤルズ戦で、オープン戦初登板。マダックス投手コーチは及第点を与えた
「なんとなくウキウキしていると言うか、もっと落ち着かなきゃいけないな、と思うんです」
プロ13年目、35歳のレンジャーズ建山義紀は、キャンプ地アリゾナの真っ青な空の下で目を輝かせながら言った。メジャーでも屈指の充実した施設で汗を流す毎日は、新鮮かつ刺激的で、高揚感は隠しようがなかった。
セットアッパーという役割もあり、昨オフ、メジャー挑戦の意思を表明した時点で、建山への注目度はさほど高くなかった。その一方で、レンジャーズは早い時期から建山のメジャー志向をつかみ、入念な調査を続けていた。アジア担当スカウトの視察は30試合以上に及んだという。昨季、日本ハムで58試合に登板し、自己ベストの防御率1.80の好成績を残したことで、獲得方針は即座に固まった。実際、昨年10月には建山自身がジャイアンツとのワールドシリーズを現地で観戦、11月30日に契約を結んだ。