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ラグビーPRESSBACK NUMBER
「血が騒いだ」「目が見えないのに、どうやってラグビーを?」東大出身の異色ラガーマンが電撃就任…ブラインドラグビー日本代表監督の濃密な“159日
text by

山川徹Toru Yamakawa
photograph byJBRU2026
posted2026/11/04 11:01
今年6月にブラインドラグビー日本代表ヘッドコーチに就任した村田祐造(51歳)
11月の国際大会で対戦するイングランドはラグビーの母国である。もう1カ国のアイルランドもラグビーが盛んで、視覚に障害を負ってからブラインドラグビーに転向したラグビー経験者も少なくない。競技経験の面では、相手に分がある。だからこそ、フィットネスを強化し、走り続けることで相手を疲れさせ、勝機を見出す。村田は語る。
「キックオフミーティングのあと、選手たちには7月の合宿まで自主的にトレーニングをするように求めました。自分で考え、トレーニングを続けるアスリートになってほしかったのです」
1回目の合宿では自主練の量に応じて、7人のレギュラーメンバーを決めた。8月と9月に行われた合宿でもフィットネス強化を目的に選手を追い込んだ。さらに合宿のたびに、ブロンコテスト(シャトルランを組み合わせた持久力テスト)をアレンジした独自の方法で持久力を評価し、その結果をメンバー選考に反映させた。選手同士が競い合う環境をつくったのだ。
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利他の心で走り勝つ。そのための準備だった。
「これだけ本気でやったら勝てるんだ、という成功体験を積んで、自信を持ってほしい。何よりも、関係者や応援してくれる人たちに尊敬される本物のアスリートになってほしいんです」
挑戦すること。そして仲間たちに配慮すること。それが、村田が現役時代に幾度も噛みしめたラグビーの魅力だった。それを選手たちにも実感してほしかったのだ。
ブラインドラグビーとの出合いは、村田にひとつの気づきをもたらした。
「ブラインドラグビーの選手たちはひとりひとり見え方が違います。それは、晴眼者の私も同じ。ある人が見えている物が、別の人には見えていないことがありますよね。同じ場所にいても、見ている景色は人によって異なります。そう考えると、配慮とコミュニケーションを社会全体が大切にしていかなければならないんです」
誰もが見ている世界は違う。だからこそ、互いを理解しようとする意識が大切になる。それが、ブラインドラグビーのメッセージだ。
挑戦と配慮の159日間は、11月7日に結実する。〈全2回/前編から読む〉


